MEMBERS' INTERVIEW

日々、アップデートしていきたい

今回はシェア店舗RoCAの仲間でもあり、部員さんでもある
加藤麻衣さんにインタビューさせていただきました。



神奈川県出身、熱海市在住。
QUARTO(クアルト)の一人親方として、熱海のまちにコーヒーと癒しの時間を届けている。
クアルト以外にも熱海の企業さんのマネジメントサポートとしても活躍!
熱海銀座にあるシェア店舗RoCAの仲間としてもCLUB HUBlicを盛り上げている。

QUARTO(クアルト)
HP:https://atamiquarto.thebase.in/
Facebook:https://www.facebook.com/caffe.bar.QUARTO/


ご契約:部員(一般会員)


お客さんの日々のルーティンの一部でありたい

1.加藤さんについて

――なぜ熱海でお店を開こうと思われたのですか?

 まちづくりというキーワードから熱海にたどり着き、2010年に初めて熱海を訪れ、それからよく通うようになりました。昔から店をやりたいと思っていましたが、熱海の人々と関わっていくなかで熱海に店を開きたいと強く思ったので、2016年に熱海へ移住し、翌年2017年の夏にクアルトをここでオープンしました!本業はクアルトの1人親方としてコーヒーをメインにした飲食店経営とコーヒー豆などを卸す小売り業です。その他にはマネージメントサポートという形で熱海の企業さんのマネジメントに関わらせてもらっています。
――どうしてお店を作りたいと思われるようになったのですか?

 店を持ちたいと思ったのは19歳の時にイタリアンバールでアルバイトしたことがきっかけです。
 イタリアには毎日のルーティーンの中で、朝や夜などにエスプレッソを立ち飲みするという文化があります。当時働いていたイタリアンバールでも毎日のようにお店にいらっしゃる常連のお客さんたちがいました。注文するものは毎回同じものだったので、私たちバリスタはそれを覚えて、いつも何も言葉を発さなくてもお出ししていました。お客さんはその注文した品を当たり前のように受け取り、さっと飲んで「じゃあね」と去っていく。
 毎日、ものの数秒で飲んで挨拶を交わす信頼関係をお店とお客さんの間で作れているということにとても魅力を感じました。またイタリアンバールという空間を通してそれぞれに元気をもらっているということに、そのシーンが映像として残っているぐらい衝撃を受けたんですよね。なので私自身もそこを利用するようになりましたし、アルバイトにハマって、仕事に対しての考え方や価値観が変わりました。

 そのお店は駅の再開発によって、私が入って1年位で閉店してしまったんです。しかしお店がなくなっても、ずっとそのバールが私の心の中に残っていました。なのでそんなバールを自分で作れたら、仲間も集まれていいなという気持ちで店をやりたいと思っていました。

 その後、店づくりを学ぶ為に沢山のお店との関わりのある仕事を探して、コーヒーの焙煎メーカーに就職しました。そこではお店にコーヒー豆を卸す、コーヒー豆メインの仕事だったので、コーヒー豆に関してはとても勉強になりました。けれど、あくまでもコーヒー豆の焙煎メーカーとしてできることは、コーヒー豆のご提案までであり、店づくりという領域には携わることができませんでした。
 なので、自分なりに店づくりについて学びましたが、全然しっくり来ませんでした。どうしてしっくりこないんだろうと思った時に、私は立地やお店の雰囲気、売り上げ規模のような条件からお店を作りたいのではなく、「来てくださるお客さんにどのような役割ができるのか」という、お客さんに価値を提供できる場を作りたいからだということに気づきました。その気づきから、場づくり→まちづくりへと興味が湧き、熱海と出会い、クアルトをオープンしました。

――クアルトで大切にしている・こだわっているポイントはありますか?

 大切にしているポイントは、自分がお客さんの立場だったら嬉しいことをほんのちょっとでも商品にプラスすることです。忙しい時だったとしても、会計の時や商品を渡す時に目を合わせる事はできるので、そこに気持ちを込めて「ありがとうございました、いってらっしゃい」を。マスクで笑顔が見えなくても笑顔かどうかはわかる。マスクをし始めてからより意識してるかなと思います。

 またクアルトではエスプレッソ一杯を270円で出しています(2021年10月時点)。熱海の観光地にしては値段が安いと言われることが多いです。イタリアでは日々のルーティーンにイタリアンバールでエスプレッソを立ち飲みする習慣があるので、1杯1〜2ユーロ、大体100〜200円台でエスプレッソが立ち飲みできます。私の中ではクアルトは「バールでありたい、お客さんの日々のルーティンの一部でありたい」という目標があります。270円でエスプレッソを出すのは私のプライド、こだわりです。

本当の意味でバックオフィス

2.CLUB HUBlicとのかかわり

――どのようにCLUB HUBlicを利用されていますか?

 クアルト営業前の8時から9時半でバックオフィスの業務や複業のマネジメントサポートのミーティングなどをしていますね。熱海の企業さんのスタッフたちとの1on1をするときには周囲を気にせずに話しやすい環境を作ってあげたいと思って、よくCLUB HUBlicの会議室を借りています。他にはクアルト定休日の木曜日にCLUB HUBlicを利用しています。あとはCLUB HUBlicで開かれている講座にもたまに参加しています。
 
 以前は夜にも仕事をしていましたが、クアルト営業中に夜やる仕事のことを考えすぎて、早く片付けたいという気持ちが先行してしまったりすると、ご来店のお客さんにも商品にも失礼だと感じ、営業終了後の夜には極力仕事を入れないようにしているので、最近では夜にCLUB HUBlicを使用することはあまりありません。

 
 私はCLUB HUBlicをシンプルにワークスペースとして使っています。店がすぐそこにあるので、CLUB HUBlicで仕事していてクアルトに行かないと分からないようなことがあったとしても、すぐに確認ができて効率がいいんです。
 
 あと、私は誰かが雑談しているのを聴きながら作業するのが好きなので、雑談がオープンに飛び交うCLUB HUBlicでPC作業等をしています。元々知っている人の雑談を聴いていると、皆さんの現況を知れたり、進歩や成長を感じることができ、私が知らない間に色々なことに取り組み続けてるんだなぁと感じたときにとても刺激を受けますし、自分が何か力になれるかもと思ったら声をかけたりしますね。
会議室でミーティングをする加藤さん
ーーCLUB HUBlicはどのような存在ですか?
CLUB HUBlicは相談や雑談ができる人たちがたくさんいてありがたい存在ですし、本当の意味でバックオフィスです!私のバックオフィスの場でもありますし、私の本業の後ろで相談にも乗ってくれる、心強い存在だと思っています。

――CLUB HUBlicでお気に入りの場所はありますか?
 よく使わせてもらっているのは会議室です。お気に入りの場所としては、以前は個別ブースもよく使ってましたが、せっかくCLUB HUBlicにいるのに閉じこもって作業しなくてもいいかなと思って、最近はクアルトや外が見えるフリースペースのお店側の席が好きです。フリースペースに座っていれば、シェア店舗側に知り合いや常連さんが来られたら、すぐに気づけるのでね。

クアルトは私の店、我が城

3.これから

――シェア店舗としてCLUB HUBlicと今後どのように関わってきたいですか?
 まちにクアルトを開いていることで、CLUB HUBlicに限らず様々なことを色々な方々に紹介できる喜びをとても感じています。
 CLUB HUBlicの1番のコンセプトは、全員が持っている心の内の種火に着火するきっかけをつくることだと思っているので、本当に必要な誰かにこのような学べる場があるということを届けるような役割でいれたらいいなと思っています。
「ここからクアルトが見えるんです」
――加藤さんが将来的にしたいと考えていることを教えてください!
 クアルトはシェア店舗RoCA内にお店を構えているので、将来的に1店舗だけで独立して営業するための練習だと捉えられることがあります。でも練習ではない、シェア店舗の中のクアルトが私の店だと思っています。そもそもクアルトが私の店、我が城と思ってやってないと、お客さんに対して失礼ですよね。

 またこれから5年くらいで、自分と同じような夢を持つ人の参考事例となるような存在になりたいと思っています。今までの場を作ってきた経験や飲食店と複業を両立させている今の経験、自分自身で生計を立ててきた経験を、他人に伝えられるように確実なものにしていきたいですね。その段階になったら、CLUB HUBlicでの開講などもさせてもらえたらと思っています。

 あとは利用してくれているお客さんが増えて、店の満足度も上がり続ける状態を目指しています。リピーターさんが増えていくとか観光客さんでも次の日にまた来てくれたりとか、帰るときに手だけ振っていってくれるという手ごたえを大事にしているので、その手ごたえを増やしていきたいですね。

それよりも先の目標は考えていないです。私は先を考えるのが苦手なので日々アップデートしていきたいなと思っていますね。気づいたことやお客さんが喜びそうなことを見つけたらちゃんと反映していく。その積み重ねが今まで進化してきていたことにも繋がっているのかなと思っています。
 

ーー加藤さん、ありがとうございました!

※写真撮影時のみ、マスクを外しています。


ー編集後記

 加藤さんはいつも「カトマイ」と呼ばれていて、みんなの人気者です。私が熱海へ行くときも毎回加藤さんが話しかけてきてくださって、いつも嬉しい気持ちになります。インタビュー内で「お客さんの立場だったら嬉しいことをほんのちょっとでも商品にプラスすること」を大切にしていると仰っていましたがお客さんだけでなく、熱海のみなさんに”嬉しい気持ち”を与えている存在なのではないかと思いました。
 同じシェア店舗RoCAの仲間として、様々な”嬉しい気持ち”を熱海にいる方々に感じてもらえるように色々取り組みます!!!!
(石井)